コロナ禍によりストップしていたモンゴル国の生命科学大学との共同研究がついに再開されました。共同研究の実施地のフスタイ国立自然公園内の試験草地区で、一定量の窒素投与条件下でリン酸を3段階処理して、草量および生態系に及ぼす効果を検証する試験を行いました。モンゴル・チンギスハーン空港に到着後、すぐに生命科学大学でウンダルマー教授、田村教授、川田助教、筑波大院生と打ち合わせを行いました。
打ち合わせで分かったのですが、昨年まで試験区の設定を考えていたフスタイ自然公園のBuffer zoneの草原が沙漠化してしまっていました。上の右が現地の写真です。退行草原の修復法の開発を急がなければなりません。我々には、時間は余り残されていないようです。
フスタイ自然公園のゲルに宿泊してサンプリングをしましたが、サンプリングを開始した日はとても寒かったので自然公園のレンジャーが薪ストーブを焚いてくれました。特に雨天が続いた日のモンゴルの草原の朝夕は、夏でも寒いくらいです。
草原でのサンプリング風景です。サンプリングの初日以降は天候の良い日が続き、日中は暑いくらいでした。
一般客立ち入り禁止の区域でのサンプリング中には、とても警戒深く近くではなかなかみることのできないタヒ(モンゴルの野生馬)を間近で見ることができ大感激でした。
サンプリングした自生植物は、生命科学大学に運んで乾燥しました。慌ただしく帰国準備をしましたが、日本に入国する際にコロナ陰性証明が必要だったため、サンプリング中に病院に行って検査してもらい、帰国前日に証明書を発行してもらうという、ぎりぎりの綱渡り状態でした。コロナ前にはなかった不便な手続きです。
帰国後、乾燥して破砕したサンプルを日本に送ってもらって、無機成分の分析を行う予定です。
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